縁壱さん、俺の方こそ俺たちの祖先を助けてくれてありがとう。貴方がいなければ俺たちは生まれていません。貴方が信じて逃がした珠世さんの協力で無惨を追いつめることができました。貴方が見せてくれた日の呼吸で俺は戦うことができます。十二個の型は驚くほど正確に伝わっていました。何百年も経つのに。円舞、碧羅の天、烈日紅鏡、幻日虹、火車、灼骨炎陽、陽華突、飛輪陽炎、斜陽転身、輝輝恩光、日暈の龍、頭舞い、炎舞。貴方が見せてくれた型も十二個でした。炎柱さんが聞いた十三個めの型についてずっと考えていた。型の名前で気になっていたことがある。〝円舞〟と〝炎舞〟、同じ音の技名。それから父さんの言葉。〝正しい呼吸ができれば炭治郎もずっと舞える〟。父さんは夜明けまでヒノカミ神楽を舞っていた、ずっと。そして今、無惨の体の造りを見て確信した。恐らく十二の型は繰り返すことで円環を成し、十三個めの型になる。無惨の攻撃をくぐり抜け、脳と心臓を斬り続けるんだ、夜明けまで。十二の型は円舞と炎舞で全て繋がる。途方もない。きっと俺は地獄を見るだろう。縁壱さんや父さんのような才覚が俺にはない。それどころか命が夜明けまでもつかどうかわからない。さらに無惨の逃亡をどう阻止するか。自信を失う理由がよくわかる。縁壱さんですらできなかったことが自分にできるのだろうか?
それでも俺は今自分にできることを精一杯やる。
心を燃やせ。負けるな、折れるな。
鬼滅の刃192話より引用
鬼滅の刃192話にて、縁壱の「ありがとう」という言葉を思い出した炭治郎のセリフ。ヒノカミ神楽13個目の型の真相が判明した瞬間。そして、炭治郎と無惨の最終決戦が始まる瞬間である。
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