鬼滅の刃

お前が、お前が滅ぼせ、私の代わりに鬼狩りを

私にはいつも死の影がぴたりと張りついていた。私の心臓は母親の腹の中で何度も止まり、生まれた時には死産だと言われ脈もなく呼吸もしていなかった。荼毘に付されようという際に、踠いて踠いて私は産声を上げた。私は私が強く念じたことを必ず叶えてきた。実行してきた。しかし、一個体にできることは限界があった。産屋敷、お前の言ったことは正しかったと認めざるを得ない。生き物は例外なく死ぬ。想いこそが永遠であり不滅、確かにそうだった。殺した人間など誰一人覚えていない。肉体は死ねば終わり。だがどうだ、想いは受け継がれ決して滅ばず、この私すらも打ち負かしたのだ。私はその事実を目の当たりにし、感動して震えた。私の肉体は間もなく滅びるだろう、陽の光によって。だが、私の想いもまた不滅なのだ、永遠なのだ。私はこの子供に想いの全てを託すことにする。呼吸も心臓も停止しているが、細胞の全ては死滅しておらず生きている。まだ間に合う。私の血も力も全て注ぎ込もう。もしも即死を免れ生きることができたなら、竈門炭治郎、お前は陽の光をも克服し、最強の鬼の王となるだろう。なぜならお前は竈門禰豆子と血を分けた兄であり、あの化け物と同じ呼吸を使うことができた唯一の者。お前は死なない、私は信じる。私の夢を叶えてくれ炭治郎。

お前が、お前が滅ぼせ、私の代わりに鬼狩りを。

鬼滅の刃201話より引用

鬼滅の刃201話にて、死にゆく無惨のセリフ。すべてを炭治郎に託した無惨。鬼の王誕生の瞬間である。

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